岩槻区を散策
2021年の4月、僕は埼玉県の岩槻区を
レンタサイクルで散走した。
岩槻区も昔、岩槻城があって岩槻宿のあったところだからか、
けっこう狛犬さんの出現率は高い。
![](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/04/oshiro-150x150.png)
いろいろ回ってきて思うことは、やはり
旧街道沿いの神社には、
多くの人が行き交ったのであろう、
優れた彫りの古い狛犬さんが見つかる。
ない地区に行くと、ほんとにいくら回っても
悲しいぐらいにない。
その点、この岩槻辺りは、いろいろな狛犬さんを
見つけることができる。
あと思うことは、比較的その地域に
共通する彫りの狛犬が見られるということ。
とうぜん、近郊の石材店から奉納されることが
多いので、同じ石工、その影響下の石工とかの作に
なることがある。
(時折、とても離れた場所にある場合もあり)
同じ石工の作が見つかったら、作られた年代を
調べてみると、だんだんと腕が上がっている様子を
見られたりするのも楽しい。
ここ鎧宮八幡神社(よろいみやはちまんじんじゃ)
に着いたのは、昼を過ぎて陽射しの強くなったころだった。
「江川第5公園」という
三角形の敷地をした公園の真ん中が
木々が茂っており、南側に神明鳥居があった。
![鎧宮八幡神社の鳥居](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/04/IMG_3475-1024x768.jpg)
鳥居をくぐると参道がまっすぐ伸び、
突き当りに拝殿が見える。
拝殿の前には、台座の上にのった
狛犬さんが左右に座っていた。
![鎧宮八幡神社の拝殿](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/04/IMG_3482-1024x768.jpg)
ここの狛犬さん、いろいろ見た中では、
少しスタイリッシュな造り。
両方ともに子獅子いて、
じゃれかたが、なんとも可愛いのだ。
![鎧宮八幡神社・吽形](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/04/IMG_3491-768x1024.jpg)
吽形の子獅子は親の顔を見上げている格好。
![鎧宮八幡神社・阿形狛犬](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/04/IMG_3484-1024x768.jpg)
阿形の子獅子は親の背中に
へばりつくようにくっついる。
「ぜったいに離さないからね」
と言っているようなかんじ。
表情も可愛く今回これを絵にしてみた。
それにしても「鎧宮(よろいみや)」と言う名の
神社名は珍しい。調べてみると、
岩槻城に立て籠もる北条方に対し、
豊臣秀吉方はここで鎧兜を整えてから出陣したと
伝えられていることから「鎧宮八幡神社」となったとのこと。
歴史の出来事が神社名に反映されているわけだ。
神社巡りをしていると、昔に思いを馳せ、
いきなりタイムスリップしたような感覚になることがある。
実際に、400年以上前、侍たちがここで鎧や兜を整えたのだと
思うとぞわぞわと身震いするのである。
そういう場所にある狛犬さん。
明治18年に奉納された狛犬であるが、
石工さんは不明だ。
親狛は少し顎を上げて空を見つめ、
「この子、だいじょうぶかしら。
ひとり立ちできるのかしら…」
そんなことを考えているようでもある。
(2021年、8月6日作画)
![トップ画像へ](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2020/06/Art035.png)
題材の場所: