弦巻稲荷神社(つるまきいなりじんじゃ)
都内を散策していると
ときおりとんでもない場所に
神社を見つけることがある。
今回は東京、文京区目白台にある
高速道路の近くのビルに挟まれた神社である。
最初に訪れたのは2020年の5月末の頃だった。
今回、この記事を書くために2022年4月末に
再度訪れてみた。
東京メトロ有楽町線の護国寺駅4番出口から出て
西に向かうと高速道路が見える。
それをくぐってすぐ右側に
高いビルが連なっている。
そのビルとビルの間に「弦巻稲荷神社」はある。
グーグル・マップで神社マークを
見つけて僕は訪れるのだが
初めて来たときはびっくりした。
細長いビルとビルに囲まれた
場所に奥へと続く階段があり、
マークは、その奥のほうに
神社があることを示していたのだ。
階段を登りきる手前左側に
社号が彫られた大きな石碑が立っており、
そそり立つコンクリートの壁の前に
鳥居が立っていた。
鳥居の奥にはしっかりと
小さな社が祀られていた。
「狭い場所にあるなあ」
初めて来たときの感想である。
神社の背後は崖。
直立したコンクリートの壁が崖をおおっている。
見上げると空は両脇のビルに切り取られ小さくイビツにある。
崖上にはフェンスが見えるが
その向こうは「腰掛稲荷神社」の境内である。
三代将軍徳川家光公が鷹狩りをした際、
この地に来て切り株に腰を掛けて休憩したらしい。
その切り株があるといわれる神社である。
(5月に確認したが、境内に特別天然記念物の「菊花石」が
飾られていたが、その切り株というのがいまいち分からなかった)
弦巻稲荷神社からは、位置的にはすぐなのだが
高低差があるので、少しまわり込んで階段を使わないと
行き来はできない。
話がそれたが、「弦巻稲荷神社」の場所だが、
なにもこんな所に建てなくても
ビルだけ建てればよかろうと思うのだが、
事情があるのだろう。
ネット情報では、この2つのビルが建ったときに
社も一緒にできたようだ。
江戸時代はこの近くにこの場所にあった
ようである。
古くから信仰の場所として
親しまれていたのだろう。
時代が経っても消えることなく
場所を変遷して今では
高いビルの狭間に
大事に祀られている。
このような神社を見ると
僕は心が温かくなると同時に
人間の信仰心の強さを
思い知るのである。
今回はそのような神社に
光を当てる意味で絵を描いてみた。
油絵の具で久しぶり描いてみた。
取材の場所: