青渭神社の午後

青渭神社の午後
「青渭神社の午後」(P8・キャンバズ・油絵)

青渭神社(あおいじんじゃ)

2019年の夏、調布駅を降りると

レンタサイクルを借りて

僕はあちこちと神社まわりをした。

今回の絵の題材の場所は、

午後4時近くに着いた

「青渭(あおい)神社」の風景である。

 

神代植物公園の東側にある

青渭神社の入り口近くには

大きな欅の木が勢いよく茂っていた。

青渭神社の大欅
青渭神社の大欅

幹の真ん中あたりにハートの空洞があるので

縁結びの木として有名らしい。

しばらくその姿を眺めて

圧倒感を味わった。

(僕はおおきな木を眺めることも好きだ。

大地に根をおろし、同じ場所に

長い年月をかけて生きていることだけで凄いと思う。

人々の営み、歴史を黙って見ているのだろう。

そこはかとないエネルギーを感じて、

しばらくボーッと木の下で眺めていることがある。)

青渭神社の鳥居
青渭神社の鳥居

参道を進み、鳥居があり、

さらに先の階段を登った。

 

階段を登りきったところには

すぐ両脇に、内藤慶雲(初期タイプ)の

狛犬が台の上に鎮座していた。

吽形狛犬
吽形狛犬
阿形狛犬
阿形狛犬

石工:内藤留五郎 明治13年の作

耳が両脇にはねたパピヨンタイプである。

内藤留五郎の彫った、子獅子は

目がまんまるで鼻がちょこんとあって

両耳が垂れていて可愛いのである。

伊豆美神社の狛犬

この内藤狛犬を見て

彼方に見える拝殿を目にした風景が

今回の絵の題材である。

右側に大きな欅の御神木が立ち

ちょうど僕が見たとき

木の裏側に太陽が隠れ

時折、木の幹から顔をのぞかせ

その風景が神々しいほどに見えたのだ。

純粋に、この風景を

描きたい、そう思った。

青渭神社の風景を描く

今回は、モデリングペーストを

キャンバスに塗って乾いたあとに

油絵の具を置いていった。

御神木の背後からチラチラと

のぞかせる太陽の輝きと

真ん中にデンと建っている拝殿の姿が

神々しく、その印象を

表現したく描いていった。

 

誰もいない静かな午後の雰囲気が

出ているだろうか。

 

見ていただいた方、ありがとうございます。

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題材の場所:青渭神社