練馬白山神社(ねりまはくさんじんじゃ)
西武池袋線・練馬駅から
徒歩6・7分で練馬白山神社に着く。
ここは「巨大なケヤキ」の
御神木があるのが有名だ。
樹齢は推定900年。1083年、
源義家が「後三年の役」で奥州へ向かう際、
戦勝を祈願して奉納したもの。
900年も生きてきた木、
練馬の歴史を見てきているのだろう。
近くにいるだけでパワーが
授かれる気になる。
神社は階段を登ったところに現れる。
ここには2対の狛犬がいる。
1対は石工不明だが、
左側のちいさな祠の前に可愛く置かれている。
少々風化ぎみ。
今回、題材にしたのは
拝殿前の江戸尾流れタイプ。
文政元年(1818年)九月奉納 石工・平次郎
鬣(たてがみ)や尾の毛並みが
流麗で、たくましい体つき。
少々顎を上げ、
遥か彼方の空を見上げているようだ。
目元が力強く
瞳が少々飛び出しているのだ。
なにをそんなに見詰めているのだろう。
練馬白山神社・阿形狛犬を描く
キャンバスに向かって
体つきをアンバー、
背景をブルーで描き進めた。
ブラウンを入れたり
ブルーを入れたり、
ホワイトを入れたり、
だが、しっくりこない。
狛犬に聞くと
「まだだな」
とひと言。
んんん。頭を掻きむしる。
数ヶ月後、キャンバスを
取り出してイエローを
加えてなんとか纏めた。
遥か彼方を見詰める
狛犬さん。
「どうですか?」
「まだだな」
相変わらず、ひと言。
ついに僕は
筆をおいてしまった。
狛犬は相変わらず、
黙ったまま
遥か彼方を見上げている。
ただ、僕には
君の瞳の彼方には
希望の明かりが
見えるんだ。
そう思っていいでしょう?
開いた口が塞がらない、
そう言った顔で
空を見上げている。
(練馬白山神社・阿形狛犬[見上げる狛犬] F12 ・キャンバス・アクリル画)
題材の場所: