上水子ノ氷川神社(かみみずこのひかわじんじゃ)へ
僕は2019年の秋、車で
富士見市近辺の神社を回ってみようと
出かけた。
今回の題材の場所は、上水子ノ氷川神社である。
みずほ台駅から徒歩だと20分はかかる。
畑と民家に囲まれた目立たない
場所にある。
僕は最初、富士見市に来て
かえるの狛犬で有名な
「水宮神社」に行ってみた。
![水宮神社](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2020/07/IMG_9741-300x225.jpg)
この界隈では多くの人が訪れるのだろう。
駐車場は拡張工事中であった。
たしかに大きく綺麗な神社であった。
ただ、目的とした「かえるの狛犬」は
作られてまだ新しかったのであまり味がない。
題材としてはいまいちだなあ、と後にした。
水宮神社のすぐ近くには「水子貝塚公園」という
整備されて綺麗な公園がある。
その日は、中に入らなかったが、
遺跡にあとに立った、とても環境のいい
公園である。
この公園の
北側を流れるのは新河岸川。
水子貝塚公園のパンフレットを読むと
このあたりまで昔は海だったという。
現在の東京の海より、けっこう
内陸側なのでびっくりする。
シジミやカキ、ハマグリなどの
貝殻が発見されたということだから
縄文時代はこの公園のあたりが
生活の場だったのだ。
実際、公園の中に縄文時代の
環状集落跡があるので興味深い。
次、この近辺に来たら
寄ってみようと思っている。
Google Mapsをたよりに
僕は近くにある氷川神社を目指して
車で近くに行った。
近くの道路脇には停められないので
離れた場所に停めて徒歩で向かった。
入り口は、神明鳥居が建ち、
旗竿状になった参道である。
![上水子ノ氷川神社](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2020/07/IMG_9746-300x225.jpg)
民家に挟まれた参道を
進むと、少し開けた境内があり
奥は畑が広がっていた。
右手を向くと拝殿、奥に境内社、
大きな欅と杉の木に挟まれて
建っている。
拝殿前には一対の狛犬が座っていた。
![上水子ノ氷川神社](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2020/07/IMG_9747-300x225.jpg)
上水子の氷川神社の狛犬を描く
近づいて見て
「おおっ」となった。
あまり期待せずに
鳥居をくぐったので、
想像以上の狛犬に出会って
思わず声が出たのだ。
江戸尾流れのタイプで
蹲踞(そんきょ)姿の
シンプルなたたずまいであるが
阿形、吽形ともその鬣(たてがみ)の
渦が巻きがもの凄いのだ!!!
しかも顔は、
目が釣り上がり
ちょっとおっかないくらいの
目で睨みつけてくる。
![上水子ノ氷川神社・吽形狛犬](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2020/07/IMG_9753-225x300.jpg)
今回はこの顔を
クローズアップして
題材にした。
いずれこの狛犬の巻きの凄さも
絵にはしたい、と
思っている。
石工の名前を調べてみると
大正15年10月に奉納された
水子の増田芳エ作と記されている。
(エ は衛のことか。
衛 と彫ると文字が潰れるので
カタカナの エ と記されたもよう)
この地区の石工なのだ。
この界隈にはけっこう
江戸尾流れの狛犬や
獅子岩タイプの狛犬がいると
あとで分かったが、
当時は、近辺の石工としのぎを削って
いたのだろう。
今回は吽形の狛犬を
赤系をメインに
描いてみた。
最近は狛犬の顔面を描くのも
面白くなってきた。
鬼のお面のようだな^^;
と呟いたら、絵の狛犬が言った。
「なんじゃい、俺の渦を描いてくれんのか!!
お面かい!!」
「ごめん、ちゃい!!」
![トップ画像へ](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2020/06/Art035.png)
題材の場所: