刈穂稲荷神社のお犬さま
2023年の12月の半ば、
山梨にある狛犬を見に行くため
僕は車で出かけた。
![](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2024/01/4_chuubu1_yamanashi-150x150.png)
以前から山梨県にはあちこちに
面白い狛犬があることは知っていた。
日本一情けない狛犬がいるという
柳原神社。
はるか山奥にある神聖な雰囲気の山神社の狛犬。
この二柱だけでも、十分に味わい深いのだが、
その件は、別の機会に記すとして
その日、いろいろを回って夕方近くに最後に訪れたのが、
刈穂稲荷神社(かりほいなりじんじゃ)だった。
南アルプス市吉田のぶどう畑の中、
細い道沿いにあった。
(この道は、軽自動車じゃないと入れないかも)
Google Mapsのクチコミを見ても、1件しかない
かなりマイナーな神社だ。
![刈穂稲荷神社](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2024/01/IMG_7604-min-1024x768.jpg)
(左が石尊宮、中が三峰神社、右が金毘羅様)
神社というよりは、祠だ。
なぜ、このような場所を知っているかというと
僕のツイッター(=X)は、狛犬関係のフォロワーが
たくさんいるので、その関係のツイート(=ポスト)が
流れてくるのだ。だれのツイートと忘れたが
あるときその石造物を見て気になり、場所を確認し
Google Mapsに印をつけていたわけだ。
3つの祠が並んでおり、その祠を守るかのように
両脇に狛犬がいた。
いや、これは狛犬というより
お犬さまなのだ。
おおもとと言われる秩父の三峰神社あたりから、
界隈にかけて
狼の信仰が広がっており、
山梨にかけても狼をかたどった像が
多く作られているのだ。
今回、見て回った山梨は
なぜか可愛らしい狼像のが多いのだ。
刈穂稲荷神社のお犬さまを描く
残念ながら、右側に置かれている
お犬さまは、口元が欠けていた。
![刈穂稲荷神社、右斜前から](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2024/01/IMG_7610-min-1024x768.jpg)
左側のお犬さまは、お顔は大丈夫だが、
両脚が欠損している。
右側の像も同じように脚部分は欠損しおり
どちらともパイプのようなもので補修されていたのだ。
もう少し補修の方法は無いのだろうか、と
思ってしまうが、予算も掛けられなかったのだろう。
考えあぐねて補修したのが、水道管のような金属。
ちょうど脚の太さが同じだったのかもしれない。
まるでギプスを嵌めたような感じ。
![左側のお犬さま](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2024/01/IMG_7613-min-768x1024.jpg)
なんだか、けんめいに脚を支えて、
顔を少し傾け、歯をむき出して
吠えようかとしているさま、
神使いの使命を果たしている姿、
とても健気で愛しいではないか…。
その思いを、描き損じたキャンバスに
新たにモデリングペーストを塗り
細筆で描き込んでいった。
お犬さん、脚は痛くないの?
へいちゃらさ、こうして
吠えているのが僕はうれしんだ。
描いてくれてありがとう。
頭の中で語りかけて
くるようだった。
![トップ画像へ](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2020/06/Art035.png)
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