小野照崎神社の狛犬
小野照崎神社については
以前の記事で書いたのでそちらを
参考にしてください。
人気の神社の狛犬さん。
前回は阿形の狛犬さん(向かって右側に座っている)を
描いたが、今度は
吽形の狛犬さんを描いてみた。
今回は小さめなサムホールのキャンバスである。
( 22.7× 15.8cmのサイズ)
ここの狛犬さん、明和元年(1764年)に
作られたというのに、保存状態がよく
江戸流れ尾の先駆けとなった狛犬。
重厚な作りで、毛並みが流麗で
素晴らしいのだ。
吽形の口を閉じたほうも、気に入っていたので
いつかは描いてみたいと思っていた。
やっと描くことができました。
待つ狛犬
拝殿の左側、
大きなイチョウの木の真裏に
この吽形狛犬さんがいる。
頭にはちゃんと角が付いている。
だから、本来の狛犬さんである。
![小野照崎神社・拝殿](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2021/08/IMG_7784-1-1024x768.jpg)
今回は、狛犬を描く前に、サムホールの
キャンバスにいろいろな色を下地につけ、
乾かしてから、作成に入った。
乾いたキャンバスに狛犬の形に切り取った
紙を貼り付け、そこにモデリングペーストを
塗りつけた。そしてまた乾くのを
待って着色をした。
下地で塗り込みした色はほとんど
消えてしまうが、絵画の奥行きを
出すためにそのようにした。
料理でいう、下味(したあじ)だ。
奥行きのある味を出すには
下味が必要なのか…と思って
今回は挑戦してみた。
だから、小さなサムホールでは
あるものの、意外と手間はかかっている。
ほとんど、下地の絵は消えて
しまってはいるが、その下地が
味を出すのだろうと思っている。
下に、狛犬を描く前のキャンバスの
写真をアップしておきます。
![下地をつけたキャンバス](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2021/08/IMG_7678-768x1024.jpg)
試行錯誤しながら、絵を描いていく。
絵の世界、奥は深いな、と
つくづく思うのであった。
今回の狛犬、石の台の上にじっと黙って
何かを待っているような格好だったので
タイトルは「待つ」にしました。
阿形の相方を描いていて、
「なんで俺を描かねえだ」だと僕の頭の中に
声が響いていたのだ。
これでひとまず胸を撫で下ろしました。
待っていたんだね……。
![トップ画像へ](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2020/06/Art035.png)
題材の場所:
阿形(あぎょう)狛犬……口を開けた像は、「獅子」と言われている。
吽形(うんぎょう)狛犬…口を閉じた像は、「狛犬」で角をつけている。
本来、左側の角をつけているほうを「狛犬(こまいぬ)」と呼び、
右側の角のないほうを「獅子(しし)」と呼んでいた。
最近は両方とも角がないタイプの狛犬が増え、
両方を指して「狛犬」と呼ぶようになってきている。
阿吽逆位置のもある。