須影八幡神社の狛犬

須影八幡神社・阿形狛犬
須影八幡神社・阿形狛犬(P10・キャンバス・油絵)

須影八幡神社(すかげはちまんじんじゃ)へ行く

以前、買った「さいたまの狛犬」の本には

いろいろと狛犬さんの情報が載っている。

めくっていたら、迫力ある顔つきした狛犬に

目が止まった。

これは一度、見に行かなくては!!

「埼玉の狛犬」本の表紙

2月の半ば、晴れた土曜日、

僕は高速に乗り、埼玉県北部の

羽生市須影を目指して車を飛ばした。

午前中に着いた須影八幡神社

優しい太陽に照らされ

2月というのにほの暖かく、

境内は静かだった。

須影八幡神社正面
須影八幡神社の正面。空は真っ青だった。

一の鳥居潜ってすぐの左右に

目的の狛犬さんが台の上に置かれてあった。

阿形の狛犬を見上げる。

「これだ! やっぱり凄い」

おおきな口を思いっきり開けて

豪快に「ガハハ」と

笑っているようでもある。

須影八幡神社・阿形狛犬
須影八幡神社・阿形狛犬

吽形は丸っぽいお目々をした

愛らしい狛犬さんである。

須影八幡神社・吽形狛犬
須影八幡神社・吽形狛犬

台座を見ると

昭和29年の作、

石工は、加須市の

「臺」のあと剥落していて読めない。

「臺」は「台」の旧字。

(だい)さんという方かな。

この近辺、臺が付いた会社名が

検索すると出てくるので、

臺という名字かと思う。

台座の文字
台座の文字。「臺」の後の文字がかすれて読めない。

いずれにしても、

このお顔、とてもユニークだ。

正面からの写真を見ると分かるが

左右の鼻の穴の大きさや形が

かなり違いデフォルメされているのだ。

 

おそらく、制作者さんは

この狛犬の磊落さと豪快さを表現したくて

形を綺麗に彫るよりも、

その思いのほうが強くて

いつの間に左右非対称の

イビツなお鼻になったのではないかとと思う。

このようなデフォルメされたお顔の狛犬さんは、

多くある狛犬の中でもあまり見ない。

僕は、なんどもなんども

お顔を眺めた。

そして、いつかこのイカシた

狛犬さんを絵にしょうと思った。

 

狛犬ことばかりを書いたが

須影八幡神社の少し記します。

須影八幡神社・二の鳥居
須影八幡神社・二の鳥居

狛犬を見終え、参道を進むと

灯籠の先にさらに赤い二の鳥居が現れる。

拝殿はその先だ。

拝殿上部には、手の込んだ龍の彫刻がある。

注連縄の上に見える龍
注連縄の上に見える龍。

さらに奥にある本殿回りには、

東、北、西と2面の精巧な彫刻が施されている。

指定文化財となっている。

この彫刻も見る一見の価値がある。

東、北、西に2面ずつ彫刻がある。これはその中の2面。
東、北、西に2面ずつ彫刻がある。これはその中の2面。

 

須影八幡社彫刻の看板
須影八幡社彫刻の看板

 

須影八幡神社・阿形狛犬を描く

今回はキャンバスにホワイトの

地塗りから始めた。

アクリルのモデリングペーストだと

すぐに固まって、次の作業が

早く始められていいのだが、

油絵の具だと、乾くのに数日かかる。

2日ぐらい待ったが、

まだ半乾きである。

描きたい気持ちが勝ってしまって

少し固まった半乾きの状態から

筆を載せ始めた。

 

面白いことにホワイトを下地に敷いて

半乾きの状態で筆を走らせていると、

パステル調の絵になっていった。

おそらく下地のホワイトと筆の絵の具が混じって

そのような状態の絵になるのだろう。

これは、これで面白い。

だが、今回の絵の題材には、

いまいちしっくりこないのだ。

この題材には、ある程度の

力強さが必要だ。

せっかくいい感じのパステル調の絵であったが、

また、その上から色を被せていったのだった。

パステル調は、別の機会に描いてみよう。

けっきょく、今回は、パステル調から

なんども上に色を塗り重ね、

しまいにはドリッピングまでして

できあがったのだった。

 

これを見たツイッターのフォロワーさんが

「ガハハな狛犬さんですね」

コメントしてくれたから

これは

「ガハハ狛犬」と僕は命名したい。

どうでしょうか。

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