和名倉山と鳥居

和名倉山と鳥居
和名倉山と鳥居(F4・キャンバス・アクリル他)

鬼鎮神社(きぢんじんじゃ)の境内

今回の絵は、2021年の初冬11月に

三峰神社に参拝したあとに寄った神社から見える

風景を描いた絵である。

前々から、参拝してみたいと思っていた秩父三社のひとつ、

三峰神社(みつみねじんじゃ)に参拝したあと、

近くにある神社にも寄ってみよう、ということで

寄ってみた。

 

荒川を堰き止めた「二瀬ダム」から

秩父往還(ちちぶおうかん)をいう

道路を湖沿いに進んでいくと

道が曲がって坂になったところに

おおきな杉の木が何本か集まって立っている。

木の足元に寺井区集会場という建物があり

右側の階段を登った先に

鬼鎮神社(きぢんじんじゃ)があるようだった。

車を集会所の前に止め、

階段を登っていった。

すると今度は左に階段があり

その途中に鳥居があった。

鬼鎮神社の鳥居
鬼鎮神社の鳥居

鳥居の細いしめ縄は切れ、片方に紙垂と一緒に垂れていた。

額束の中央下部から、蜘蛛の糸が

手すりに一本つーっと長く伸びていた。

恐らく、氏子関係の人も、参拝者もしばらく

ここには来ていないのだろう。

 

鳥居の南に広がる山を眺める。

あとで調べて分かったが、

「和名倉山(わなくらやま)」という名の山だった。

この山、ただひたすら、坂道の続く山なので

登るにはキツイだろうな。

登山の経験はないのに、そんなことを思う。

太陽が眩しく輝き

山々のシルエットの奥から

少し雲が湧き出していて

とても心地いい風景だった。

しばらく眺めていた。

今回の絵はそのときの情景を描いた絵だ。

 

蜘蛛の糸を避けて鳥居を登った先には

右側に拝殿が2つ並んで見えた。

拝殿の前は、コンクリートのデッキで

枯れ葉がいっぱい落ちていた。

そのコンクリートの中心をくり抜いて

御神木が立っていた。

くり抜かれた部分から見える

コンクリートの厚さが思いのほか薄いのに驚いた。

枯れ葉が敷かれたコンクリートの上を

踏んで進むことをやめて

拝殿前の厚いコンクリートの上だけを

カニ歩きのようにして進んだ。

高所恐怖症なのだ。足場の弱そうなところは

崖から落ちる自分を想像して、だめなのだ。

 

Google Mapでみると

手前が、福井神社のようである。

奥の拝殿ヨコに、金棒が吊るされているので

こちらが鬼鎮神社なのだろう。

1ヶ月前に、埼玉県比企郡嵐山町川島の

有名な鬼鎮神社へ行ったが、

こちらは、その関係なのか?

由緒もどこにも書いていないので

分からない。

ただ、三峯神社の近くに

鬼に関係する神社があるのは、

面白いな、と思う。

手を合わせ参拝した。

 

ここに神社を建てた人は

この和名倉山を眺めるのにふさわしい

場所に建てたかったのかもしれない、

階段を降りながらそう思った。

 

 

車中泊で風邪をひく

今回、三峰神社に行くのに

都心からだいぶ離れているので、

朝出かけて行くには、着く頃には

10時か11時頃になると思ったので

三峯神社の近く、道の駅に

車中泊をして行くことにした。

 

車中泊、つい最近始めたばかりなので、

超初心者である。

とりあえず、寝るときに必要な、車のカーテン、

寝る場所のマット、ランタンなどを買い、

持っていた寝袋を持ち込んで

行くことにした。

初めての車中泊は、関越道の高坂サービスエリアで

実験がてら行ってみた。

自動販売機があって、照明もあるので

多少、安全。ただ、朝方、バイクのエンジン音が

鳴り響き眠りを覚まされた。

耳栓が必要だと、次に買うメモに記入した。

 

今回は、前日の夜9時ごろに出て

三峯神社のふもとの道の駅に向かった。

道の駅近くの道路。夜の道は周りが暗く、視界悪い。慎重に進めた。

夜の高速はさすがに空いていて

2時間もかからず目的の場所にたどり着けた。

 

2回目の車中泊である。

夜の10時半ごろ。道の駅といっても

店は閉まって辺りは真っ暗、駐車場は静まりかえっている。

少し離れたところに、大きなバンが止まっていた。

窓は銀色の目隠しでおおわれていた。

恐らく、この車も車中泊なのだろう。

暗い道の駅のトイレに懐中電灯を持って小用しに行く。

車に戻ってカーテンを引きランタンを灯して

ゆっくりしようとしたとき、

突然、運転席の窓を叩く音がした。

車内で灯したランタン

「え!、誰! 今の時間に!」

恐る恐るカーテンを開けると、

懐中電灯を持ったお巡りさんが車の中を覗いていた。

開口一番、

「練炭なんかないでしょうね?」

質問の言葉に、思わず、え! と言って、

そんなもの、持ってませんよ、と答えた。

「いや、このあたり、そういう人もいますんでね」と。

まさか、車中泊2回目で、

警察官に縁起でもないことを聞かれるとは思いもしなかった。

しかし、このような夜中を安全確認のためか、

巡回しているお回りさんがいるんだ。

ごくろうさまである。

 

シートを倒して平坦にした上に簡単なマットを敷いて寝たので

寝心地の悪いことわるいこと。

さらに、朝方、異常な

寒さに目が覚めてしまった。なんとか、

セーターを着込んだり、毛布をさらに包まったりしてしのいだのだが

やはり、山近辺の朝方は異常に寒い。

朝方、道の駅から見た日が昇る前の空。

その日、道の駅に泊まって

朝日の出る頃、三峯神社へ向かった。

神社近くの細い道も、ほとんど車が通ってなく

すいすいと行けた。

正解だった。

 

三峯神社に着いたのは7時ぐらいだったが、

まだ、そんなに人も多くなく、

一の鳥居の写真も人が映り込むことなく写真を

撮ることができた。

三峯神社の三つ鳥居
三峯神社の三つ鳥居。7時30分に撮影。この頃はまだ、人影も見えないがすぐに人が溢れ出す。

そして、参拝し終え、帰路についたときは9時半頃。

帰り道の下り坂、反対側の右側の神社へ向かう方向は

ずーと車の列で渋滞していたのだ。

秋の紅葉シーズンは、9時、10時で三峯神社へ向かうには

渋滞はまぬがれない。なにせ、一本道なのだから、

 

その日、三峰界隈、

武州中川あたりを回って、

家路についたが、

着くなり体がだるく

熱っぽい症状だったので

早めに布団を敷いて寝ることにした。

やはり風邪を引いたのだろう。

 

秋冬の車中泊は、十分な寒さ対策してからでないと

行ってはいけないな、と思ったのであった。

 

描いている途中の絵を貼っておきます。

和名倉山と鳥居α
和名倉山と鳥居α

 

トップ画像へ

題材の場所: