「一本欅と稲荷」

一本欅と稲荷
一本欅と稲荷(P8・キャンバス・油絵)

「一本欅(ケヤキ)と稲荷」・木下稲荷神社

木下稲荷神社(きのしたいなりじんじゃ)

埼玉県入間郡三芳町にある。

東武線・横瀬駅から徒歩で30分弱。

武蔵野線・新座駅からだと40分はかかるだろう。

 

晩秋のある日、

新座近辺の神社を回り終えた僕は

最後に、竹間神社(ちくまじんじゃ)を目指して僕は車で向かった。

竹間神社
鳥居から見える竹間神社

竹間神社は少し高台の上にあった。

地域に親しまれたこぢんまりした神社であった。

参拝しおえて狛犬をじっくり観察した。

明治10年作の小さめの江戸流れの狛犬がいた。

竹間神社・吽形狛犬
竹間神社・吽形狛犬

竹間神社に車で来る途中、

近くで鳥居を見かけたので

何の神社だろうと思って

そこまで歩いてみた。

その鳥居は道沿いに見えた。

 

鳥居の前に来て見上げる。

欅(ケヤキ)の木がただ一本、

天に向かってまっすぐ立っている。

赤い木の鳥居と小さな社(やしろ)があった。

鳥居の扁額には「正一位木下稲荷神社」

書かれてあった。

木下稲荷神社
木下稲荷神社の鳥居と祠。

僕は社の前まで行くと

柏手を打って参拝をした。

参拝後、道まで下がって

もう一度、欅を見上げた。

 

どこにでもあるような

小さな稲荷神社。

でも僕には、なぜか

この風景が目について

はなれなかった。

 

欅(ケヤキ)の木の下にある神社。

まさに名前の通りの木下稲荷神社

 

おそらくほとんどの人が

知らない神社だろう。

でも、ここは

地元の人達には慕われる

お祈りを捧げる小さな聖域なのだ。

 

天に向かって枝を伸ばしている

欅の木。

それは、まるでアンテナのように

まっすぐ伸びている。

 

きっと、この樹から天に向かって

祈り、願った思いは

発信されていくのに違いない。

 

 

※木下稲荷神社の近くにある道標には

天保14年(1843)に勧請されて

建てられた稲荷と記されている。

(P8・キャンバス・メディアミックス(油絵・アクリル・アキーラ)


取材の場所:

木下稲荷神社

竹間神社: