田園の中の神社
川越の駅近くは店も多く、
歴史的街並みもあってとても楽しい。
だから人はいつでも多い。
![時の鐘のある鐘つき通り](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/08/IMG_8901-225x300.jpg)
だが、ひとたび駅前の街並みから外れて
東の方面をしばらく行くと、
のどかな田園風景が現れてくる。
そのような風景を見るのが好きなのである。
以前、南田島の神社の風景も描いたが
南田島も川越から東南に向かった先にある田園地帯だ。
2022年の7月初旬、
僕は川越駅の手前の駅
東武東上線の新河岸駅で降りると
近くのレンタサイクルを探して借りた。
![](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2020/06/jitensya_osu-260x300.png)
砂氷川神社を最初に、
![砂氷川神社全景](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/08/IMG_6474-scaled-e1661172323725-1024x768.jpg)
日枝神社を参拝して
![下新河岸日枝神社](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/08/IMG_6489-scaled-e1661172497469-1024x768.jpg)
新河岸川にかかる旭橋を渡って
北方面に向かった。
途中に見える
地蔵尊と不動明王石碑の
風景は、絵にしたいくらいの
風景だった。
![地蔵尊と不動明王石碑](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/08/IMG_6515-1024x768.jpg)
田園の中にポツンと立つ、石碑と祠。
この近くに住んでいる方が昔から
水や花をささげお祈りしているのかと思うと
愛しくなる風景なのだ。
![地蔵尊と不動明王](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/08/IMG_6513-scaled-e1661158193248-853x1024.jpg)
それから、祈りの場所をあちこち散走して、
そしてそろそろ川越駅に戻ろうとして
(ハローサイクリングは借りた場所に返さなくてもOK)
最後によったのが今回の絵の題材の場所である。
高島稲荷神社(たかしまいなりじんじゃ)
八ツ島稲荷神社を参拝したあと、
![八ツ島稲荷神社](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/08/IMG_6652-scaled-e1661172875634-1024x768.jpg)
川越駅に向かおうと思っていたが、
Google Mapsで見ると
近くに稲荷神社があるのが分かった。
じゃ、ここで最後にしようと
自転車を漕いで向かうと
稲が育った田んぼの中に数本の木と
社殿が見えた。
横から行こうとすれば行けるのかも知れないが、
ちゃんと正面から行きたいではないか。
田んぼをぐるりと回り、民家の間の
細い参道を見つけた。
![高島稲荷神社](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/08/IMG_6682-1-scaled-e1661173081883-768x1024.jpg)
間を通って行くと、田んぼに囲まれた
鳥居と神社がワーッと見えた。
今回はそのときの風景だ。
青空のもと、
田んぼに囲まれ、まっすぐな道の先に社殿。
左右にはアンバランスな
木々が立つ。
ああ、こういう風景を見たかった。
まさしく、日本の原風景だ。
最後にここに来てよかった、そう思った。
高島稲荷神社(たかしまいなりじんじゃ)を描く
今回の絵は、
空部分はモデリングペーストに
絵の具を垂らして
キャンバスの上で混色しながら
ペインティングナイフで押さえ、
さらに滑らせて描いていった。
半分、偶然性が混じる描き方だ。
雲も水蒸気の固まりで偶然にできる
自然の芸術だから、
絵の具の載せ方も、そのような
偶然性でできる雲の描き方でもいいのでは…
と思ったのだ。
![](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2020/11/bunbougu_enogu-1.png)
稲は、ペインティングナイフの端を
立てて縦からストロークするような
イメージで絵の具を置いていった。
色が合っているのか分からない。
色覚異常者は、
黄緑と橙色が、ほぼ同じように
見えるのだ。
たしか、絵の具のラベルを見ながら
描いたので、合っているのでは…とは
思う。
![](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/08/enogu_colorful-269x300.png)
色覚異常を意識している人は、
絵の具の色の名前を必ず見ながら
描く習慣があるはずである。
でないと一般正常者に変な目で
見られたり、笑われたりするからだ。
小さい頃に、苦い経験をしている人は
そのようにしているはずだ。
気をつかっているのだ。
(これは別に絵の具だけでなく、色の種類のある商品には必ず色名をつけていただきたい。
とくに、淡い色調のもの(=パステルカラー)は、見分けがつけにくいのだ。
ほかに、黒と紺、濃い赤と濃い緑、ピンクとグレー、黄緑と黄土色、紫と紺、etc. )
いずれ、色覚異常のことについては別項目を立てて
記していこうと思ってます。
稲穂に囲まれて青空のもと
ひっそり建つ稲荷神社。
実り多い収穫を願い、
日々の健康、安全を祈る
ひとびとの思いが結晶したのが
この風景なのだ。
![稲荷像1](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/08/IMG_6691-scaled-e1661222650763-225x300.jpg)
神社の正面にいなかった稲荷像。
![稲荷像2](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/08/IMG_6690-scaled-e1661222719858-225x300.jpg)
ここに参拝に来た方はどこにあるか探してね。
素敵な風景を見せていただいて
ありがとうございました。
![トップ画像へ](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2020/06/Art035.png)
題材の場所:
当社の鎮座する大字高島は、九十川の左岸に位置する農業地帯である。九十川流域は、川越台地と大宮台地の中間にあたる低地であるため、土地改良が行われ、排水路の整備される昭和一六年までは、度々水害に見舞われていた。このため、当社も幾度か流失し、古記録の一切を失っており、詳しい由緒を今日では知ることができない。
しかし、本殿の前に数多く奉納されている石製の眷属像(狐)のうち、最古のものには、「元禄二己巳天二月三日 心信 高嶋村氏子」と刻まれているところから、江戸時代の中期には既に高島の鎮守として村人の手で祀られていたことをうかがわせる。
『明細帳』によれば、祭神は倉稲魂命となっているが、一間社流造りの本殿に納められている宝珠には、「保食命」と神名が刻まれている。
現在、社殿は西向きに建っているが、もともとは南向きであった。社殿の向きを変えたことについては口碑に、南向きでは社殿が、隣接する大中居の方を向き、当社が大中居の神社のように見えることから、誤解を避けるべく、社殿を西向き、すなわち、高島の中心を向くようにしたのだと伝える。
なお、境内にある末社天神社は、天神座像を祀っている。(「埼玉の神社」より)