柳戸・六所神社の狛犬
今回の絵の題材は、
千葉県柏市柳戸(やなぎと)にある
六所神社(ろくしょじんじゃ)の狛犬さんである。
手賀沼の南側を走る国道282号線沿いに
集落がいくつかあるが、その中のひとつ。
村奥の山の中にある。
グーグル・マップで見てもこの神社、
コメント数が1つなので、
あまり人が訪れることのない場所なのかもしれない。
僕が訪れたときは、祝日でありながら
参拝者は誰もいない緑に囲まれた静かな場所だった。
![六所神社の鳥居](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_8432-scaled-e1665131113101-1024x768.jpg)
道の駅「しょうなん」にて車中泊
2022年の2月の天皇誕生日の前日の夜、
僕は千葉県の手賀沼脇にある
道の駅「しょうなん」を目指して車を飛ばした。
その頃、Twitter友達が手賀沼の写真を
Twitterに乗せていて、見ながら、
こちらのほうには行ったことないな、
湖を見たいな、一度行ってみたいな、と思ったのだ。
![](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/10/mizuumi-150x150.png)
翌日が休みだということを利用して
夜、9時過ぎに車に乗り出掛けた。
夜の「しょうなん」は意外と混んでいて
数カ所しか開いていない場所をやっと探して
いくぶん慣れてきた車中泊をすることにした。
![道の駅しょうなんの夜](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/10/NS4_0143-1024x576.jpg)
![](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/10/car_travel_syachuhaku-1-150x150.png)
柳戸・六所神社へ
朝早く目覚めると
近辺の神社まわりにさっそく出掛けた。
いくつか回ったが
けっこう独特の狛犬が見られ
面白い地域である。
それなりにあるということは、
このあたり人の多く通る場所だったのか…
調べてみると、この近辺は
水戸に通じる「水戸街道」がある。
ただ、水戸街道は手賀沼の北側を通るので
手賀沼の南側は街道を少し外れている。
水戸へ続く別ルートだったということだろうか。
![手賀沼と水戸街道](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/10/a507731f11924d1ed715482349a86a57-1-1024x634.jpg)
街道沿いはけっこう狛犬が見られるが
ちょっと外れたこの地域に狛犬があるというのは、
とても興味深いものではある。
だがネットで調べてもこの辺りの情報は少ないのである。
今回絵にした柳戸六所神社の狛犬は
台座を見ると「万延元年(1860)1月吉日」と書かれている。
石工さんは残念ながら分からない。
![六所神社の拝殿と狛犬](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_8456-scaled-e1665131136908-1024x768.jpg)
トタン屋根とトタンで囲われたお社の前に
2段重ねの台座にこぢんまり座る阿吽の狛犬。
静かな神社の中にひっそりとたたずんでいるのだ。
しばらくこの狛犬の前で座って眺め、
スマホで写真を撮っていった。
六所神社情報 | |
---|---|
社号 | 六所神社(ろくしょじんじゃ) |
祭神 | 天照大御神、素戔嗚尊、伊弉諾尊、伊弉冉尊、蛭児尊、月夜見尊 |
境内社 | 天満宮、足尾山神、大杉大明神 |
住所 | 千葉県柏市柳戸411 |
祭日 | オビシャ1月7日、秋祭10月15日 |
その後、この界隈を散策してみて
分かったのは、
同じ石工さんが造ったのだろうという
狛犬がほかに2つあったのだ。
以下に記します。
兵主八幡両神社(ひょうしゅはちまんりょうじんじゃ)
![兵主八幡両神社の拝殿](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_8471-scaled-e1665041236310-1024x768.jpg)
ここの狛犬は大きな台座に乗った
大きな狛犬で、六所神社の狛犬と同じ顔型をしている。
大型なので、手足、胴も長いように見える。
背中にポツポツ背骨の出っ張りが見えるのが特徴である。
万延元年(1860)9月に奉納された狛犬さんである。
![狛犬の背骨](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_8478-scaled-e1665131168202-768x1024.jpg)
![兵主八幡両神社の狛犬](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_8475-scaled-e1665131185479-1024x768.jpg)
鷲野谷香取神社(わしのやかとりじんじゃ)
![鷲野谷香取神社の鳥居](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_8319-scaled-e1665042009627-1024x768.jpg)
![鷲野谷香取神社の拝殿](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_8320-scaled-e1665131221896-1024x768.jpg)
ここは拝殿の裏側に
離れてぽつんと建っている本殿がある。
![鷲野谷香取神社の本殿](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_8321-scaled-e1665119177216-1024x768.jpg)
小さな本殿はみごとな彫刻が施されているのだが、
その前に、阿吽の狛犬が接近して左右に置かれている。
![](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_8323-scaled-e1665131247192-1024x768.jpg)
小さな狛犬さんで
少し猫背気味。
阿吽とも正面に顔を向けて座っている。
年代は嘉永7年(1854)の奉納である。
柳戸八幡神社の狛犬より6年前に作られたものだ。
同じような作りである。
いずれの狛犬も共通するのは
鞠も子獅子もいない
シンプルに座った(蹲踞型[そんきょがた])形。
阿吽とも正面を向き(参拝者方面向き)。
まなこが丸っこく、流麗なたてがみを持ち、
両耳は左右に広がっている。
1860年頃に、この界隈で活躍していた
有名な石工なのだろう。
まだまだこの辺りを探ってみると、
同じ石工さんの狛犬が見つかるかもしれない。
六所神社の狛犬を描く
今回はサムホールの小さなキャンバスに
わりと平滑にモデリングペーストを塗り
乾燥したあと、上に
狛犬のデッサンをした。
それから買ってきた彫刻刀で
デッサンの線を彫ってみた。
![](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2022/08/hanga-150x150.png)
前回、描いた「白髪白山神社」で
初めて彫刻刀と使ったが
その感触が意外と面白く
同じようなことをしてみたのだ。
線を彫って、その上から
絵の具を乗せると
絵の具が溝に垂れ込んでいく。
これは面白いや、と試してみた。
今回はデッサン風絵画といった感じだ。
どうだい、狛犬さん、今回の絵は?
絵の中の狛犬は、ニヤリと笑っている。
絵の学校に行ったわけではないので
自分の思った発想で描くしかない。
まだ、いろいろな描き方があるのだろうが
いろいろとトライしていこう。
興味は尽きないし、
まだまだ描き足りない、そう思うのであった。
![トップ画像へ](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2020/06/Art035.png)
題材の場所: