多摩川浅間神社の境内社のお稲荷さん
今回、絵にしたのは
多摩川浅間神社(たまがわせんげんじんじゃ)の
境内社に置いてあるお稲荷さんである。
参拝したときに見た狛犬さんを
時折、Twitterにアップしているのだが、
最近はお稲荷さんもアップするようになった。
昔、撮った写真から
探し出してはアップしているのだが、
多摩川浅間神社の境内社の
お稲荷さんの表情が面白く目がとまった。
Twitterにアップすると、
「目と目が離れてて優しく愛嬌のあるお狐様」
「癒し系の癒し系の狐さんですね」
と反応があった。
たしかにそうだなあ…。
僕も眺めていて、そのように感じていたのだが、
だんだんこのお顔が頭から離れなくなってきた。
「僕を描いてくれないの…」
そういう声がしたようなので
小さなキャンバスを用意して
描いてみた。
多摩川浅間神社について
以前、テレビで「ブラタモリ」を
見ていて多摩川浅間神社が写っていた。
タモリさんが欄干から眺めている
多摩川の風景が目に焼き付いていたのである。
「見晴らしのいいところだな…、
一度、行ってみたいなあ…」
2019年の4月29日、
僕はついに多摩川浅間神社に参拝に行った。
ちょっと薄曇りの日で
着いたのはもう夕方近くだった。
さっそく、欄干から多摩川を眺める。
電車が数分おきに通る橋が見え、
「ああ、ここだ!」と
しばらく風景を眺めた。
とても気持ちのいい風景だった。
ここは人気の神社で、参拝客は
それなりの多さであった。
拝殿前の江戸流れの狛犬を見て
参拝したあと、境内社を回った。
いくつもある境内社の中で
お稲荷さんいる境内社があった。
稲荷神社だ。
祠の左右に、互いににらめっこをするようなかたちで
お稲荷さんは置かれていた。
とても小柄だ。年代もかなりいってそう。
おそらく江戸時代のものか。
お顔をのぞくと可愛らしいお顔をしている。
写真を撮ろうしたが、普通に撮ると
横顔しかとれない。
スマホを顔の正面に手を出して
なんとか正面顔をとった。
左右とも。
回りに人が参拝にこないか
気にしながら、なんとか写真を撮った。
そのような経緯で苦労して撮ったので
よく覚えていたのだ。
お稲荷さんを描く
手短に描きたかったので
サムホール※を用意した。
※絵画のサイズのひとつ。 22.7センチ×15.8センチ。
だが、この絵の場合、
マチエールを石のようにしたい意向が
あったので、描く前に
モデリングペーストで下地を
作って描くことにした。
半日ぐらいで乾くので、
1日前に下地を作っておいたのだ。
この下地を前にして
ほとんど、1時間ぐらいで
描き終えた。
最後に艶が欲しかったので
乾いたあと、ホルベインの
クリスタルバーニッシュを塗って
完成とした。
画材は、出来上がりのイメージから
逆算して、画材屋に行き、
その内容に適した画材は
ないかと探すことがある。
幸い東京に住んでいるので
こちらの画材屋(世界堂)には
いろいろな画材がある。
見ていると飽きないが、
目的の絵をしっかり意識していないと
逆に迷ってしまうだろう。
だが、目的意識を持たないで
画材屋で画材を眺めるのも
「あれ、これは何かに使えるかな」
「これは、どうやって使うのだろう」などと
考えながら見るのも楽しい。
とにかく、人生の大半
絵を描きたい気持ちを抑えて
過ごしていた僕は
描けるということ自体が
とても楽しい。
もっと時間をとって
描きたい。
でも相変わらず
仕事が来ては処理に
毎日追われている。
もっと描きたい。
題材になった場所: