上南畑神社（かみなんばたじんじゃ）へ行く
東武東上線・鶴瀬駅から徒歩であれば
40分はかかるだろう、
上南畑神社は駅からは遠い位置にある。
Googleマップで神社を検索すると
コメントが現在、4件ほど。
ということは、この神社まで出掛けて
参拝する人はあまりいないのだろう。
ちなみに、人気の神社を探ってみると
- 明治神宮＝24184コメント
- 靖国神社＝14640コメント
- 神田明神=12743コメント
有名な神社はコメント量が
違いますねぇ。
一概には言えないけれど、
Googleマップのコメント量で
ある程度、その神社の
人気度を知ることができると思います。
それで見るとコメント４つは少ないなあ。
僕は今年（2020年）の2月はじめ、
埼玉県富士見市辺りの
神社を車で動いて見て回っていた。
（富士見市の上水子ノ氷川神社の狛犬については
以前のエッセイに記してます。）
いろいろと回って夕方になりかけた頃、
この神社に着いた。
駐車場は近くに数台停められる砂利の
スペースがあった。
まだ新しい鳥居をくぐると
玉砂利の敷かれた境内が広がり
正面に拝殿がみえた。
そして、その拝殿両脇に
獅子山（ししやま）のかまえ獅子が
すぐに目についた。
というのも目が異様に
白く光っていたのだ。
近づいて見ると
目玉と、むき出した歯が
白く着色されていたのだ。
基本、狛犬は自然そのままの
石がいい、と思っていた僕は、
「わー、やってくれたなあ」と
見たとき思ったのだった。
時折、狛犬を見ていると
目に着色して口中を赤く塗っているのを
よく見る。いつも思うのは
そこまでしなくても、そのままで
いいのじゃない、ていうことだ。
今回もそう思ったのだが、
よく見ていると、
だんだん気持ちが変わってきたのだ。
上南畑神社の狛犬、
目がとてもギョロ目。
歯は小さくすべて三角形で
やたらびっしり並んでいる。
狛犬でこのような歯も珍しい。
この狛犬を塗ったかたは
どうような人なのだろう、
ちょっと想像してみた。
たぶん、氏子さんの誰かかな。
白いペンキを筆につけて
目を塗り、それから
たくさん並んである歯を
一本一本ていねいに
塗っていく。
塗り終えて筆をおくと、
遠くから腕を組んで
「よし、これでいい」と
うなずく、そんな姿が浮かんできた。
そして、また何年かして、
色褪せたときに
また白いペンキを持って
塗り直していく。
それは、それで
とてもこの狛犬に
愛着をもって接して
いるということなのだ。
ずっと眺めていると
しだいに可愛くみえてきた。
この狛犬、どちらかというと
カッコいい顔つきでもない。
すごく個性的（暗にブスと言ってる？）。
阿形の狛犬の写真は
下に載せます。
上南畑神社の狛犬を描く
上南畑神社って
荒川と新河岸川に挟まれた
場所にある。
場所柄、よく洪水には見舞われたところである。
でも田んぼや畑を
また耕してやり直して
生活が始まる。
そのときに村の人々の
拠り所となった神社なのだろう。
僕はこのような
あまり知られていなくとも
地域で愛されている
魅力ある神社や狛犬も取り上げて
描いていきたいと思っている。
今回、題材にしたのは
上南畑神社の狛犬の吽形（左）のほう。
岩山にのっている
親狛犬だけを描いたが
じつは、この狛犬の絵の下には
子獅子が見上げている姿が
あるのだ。
子獅子は省略して描いたので
すいません。想像してください。
この岩山タイプは
ことわざの
「獅子は我が子を千尋の谷に落とす」
からきている。
獅子は生まれたばかりの子を深い谷に落とし、這い上がってきた生命力の高い子供のみを育てるという言い伝えの「獅子の子落とし」より転じて、本当に深い愛情をもつ相手にわざと試練を与えて成長させること、またはそのようにして成長させるべきであるという考えを意味する語。
這い上がる子獅子を見つめている、
このパターンの狛犬を
狛犬愛好家では
「獅子山（ししやま）タイプ」と言っている。
東京都内でもあちこちに見かける。
有名なのは、牛島神社の獅山狛犬だ。
赤坂氷川神社の獅子山狛犬は以前描いた。
ポーズはほぼ同じだ。
今回は、背景をどうしようか、
いろいろと悩んだ。
実際の樹々を描いてみたが
なんだかうるさい。
しだいにしだいに黒くなって
いってしまった。
狛犬さん、こんな背景で
よかったかなあ？
狛犬に聞いたが返事がない。
眼下に見える
子獅子を見守ることで
懸命のようだね。
（F8・キャンバス・アクリル画）
〇埼玉の狛犬のことが書いている本
でも、この上南畑神社の狛犬は出てないぞ～(;O;)
題材の場所：
参拝3000社を超える