君は君のままでいい
今回の絵画は、今年(2021年)の初夏に
「碑文谷八幡神社(ひもんやはちまんじんじゃ)」の
狛犬さんを元に描き上げたもの。
Twitterにアップしたとき
「君は君のままでいい」という題名にした。
![](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2021/10/smartphone_screen_sns-206x300.png)
反応はそれなりにあったので
とても嬉しかった。
今は、このようなSNSという
発信できる場があるので、
非常に便利になったと思う。
文明の利器は使ったほうがいいのだろう。
絵というもの、どちらかというと
ひとり黙々と描いているので
いまいち、いいのか悪いのか自分では
よく分からなくなってくる。
2019年に描き始めたころは、
とにかく、今まで描きたくて抑えていた気持ちが
爆発したような感じで、
![](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2021/10/bakuhatsu2.png)
ただ絵の具を塗って、筆を走らせてるのが、
楽しくてしょうがないという気持ちだった。
そのときは、自分の中の
もうひとりの自分がいいという
声が聞こえるまで描いていた。
ところが、しばらくずっと描き進めていくと
この自分の声が聞こえづらくなってきているのだ…。
それは、いままでそんなに力を入れて
絵画について勉強をした訳ではないので、
いろいろを関係書籍を読んだり、美術館に行って絵画を見たり、
ネットで調べたり、You Tubeを見たり、と
さまざまな情報を得てきていることが要因のような気がする。
![](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2021/10/study_gogaku_man_reading-219x300.png)
歴史やら、技法やら、絵画の知識が頭の中に
たくさん入ってきて、その情報が、
しだいに自分の目指している絵画の方向性や
自分の絵の価値観を揺らがせて
自分自身の目指すところが分からなくなってきているようなのだ。
![](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2021/10/shinpai_ojisan-246x300.png)
例えて言えば、
暗闇の中、北極星を目指して漕いでいた自分の舟が
途中、その暗闇の中にもいろいろな星があるのに気づき、
それぞれが素晴らしい魅力的な星なんだと思い、
目を奪われている状態なのだ。
![](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2021/10/ocean_night-1.png)
そして、僕の目指しているところは、
果たしてこの方向でよかったのか…、
他にも行く方向があるのではないか…、
あちらに行けばもっと素晴らしい世界があるのではないか…、
そのような思いが行きつ戻りつしている状態なのだ。
![](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2021/10/bg_yozora_night_sky-300x169.jpg)
好きなことに着手しはじめた僕だったが、
こんどは、好きな世界の中でも
進めば進むほど
いろいろと悩みが生じ、考え込むことも
あるのだなあ…そのように思うのだった。
今回の絵は、
親獅子が子獅子をかばうように
背中に手をおおいながら正面を向いている。
その仕草を見て
親の気持ちになったときに出た言葉が
このタイトルとなった。
「君は君のままでいい」
そう、この言葉は自分自身へにも
言っている言葉なのだった。
碑文谷八幡神社の狛犬
碑文谷八幡神社に行ったのは
2019年の年末のことだった。
![](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_0458-1024x768.jpg)
その日、目黒区近辺の神社参拝をしていて
たどり着いたのは16時ぐらいだったろうか。
境内は木々におおわれ、少々薄暗かった。
一段高くなった境内の階段を上がって
左右に、狛犬が見えた。
一目見るなり、惚れてしまうくらいの
狛犬がそこにいた。
渦を巻くたてがみが流麗にながれ、
凛々しい顔立ちの狛犬がいた。
手元には、小憎らしい子獅子が
親の足元にまとわりついていた。
![](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_0465-768x1024.jpg)
この顔立ちはどこかで見たような記憶がある。
台座を確認すると
中村勝五郎と記されていた。
明治26年(1893年) 石工・中村勝五郎、鈴木悦造
中村勝五郎と言えば、代々木八幡の拝殿前の
狛犬を彫った方だ。
顔つきは、よく似ている。
たてがみの流れ、
子獅子の戯れる様の愛らしさ
彫りの技量の素晴らしさ、
やはりいい。
また、次も来て
じっくり味わいたい狛犬さんである。
なお、拝殿両脇には
招魂型の凛々しい狛犬さんも
いらっしゃいます。
(平成5年作、石工不明)
![](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_0480-1024x768.jpg)
![トップ画像へ](https://shi9ga3.com/wp-content/uploads/2020/06/Art035.png)
題材の場所: