天城狛犬

天城狛犬
天城狛犬(F6・キャンバス・アクリル他)

天城神社の狛犬

今回の絵は、前々からネットで見て気になっていた

伊豆・修善寺にある天城神社(あまぎじんじゃ)の狛犬である。

 

とても特徴的な顔立ちをした狛犬さんで

僕はこの神社の境内に入り、

狛犬の前に来たとき、思わず

「来たよ、来たよ」と声をかけたのだった。

じっくり見ては「いいねぇ」と呟き、

あちこちから見ては

「すばらしい」と言っては写真を撮った。

 

ここの狛犬、なぜか

右に置かれている狛犬も、

右側を向いている狛犬も、

どちらも右向きなのである。

ほとんどの狛犬は参道に向かって

顔を向けているのだが、ここは違うのである。

視線の彼方は、天城山を見つめているのだとか。

狛犬の昔話

むかし、肩を痛めた旅人が湯ケ島に湯治に訪れ、その際に世話になった村名主へのお礼なのか、川谷から担ぎ上げてきた大きな3つの石で、2体の狛犬と弘法さんの石像を彫っていました。その旅人が姿を消すと、村はずれの道端の松の木の根元に弘法さんの石像ががちょこんと座っており、天城神社の本殿前には狛犬が、2体とも同じ方向(天城山の方向)を向いて据えられていました。

その当時は天城山に棲む山犬に群れで襲われる被害があったのですが、天城山の方向を睨んだ狛犬が奉納されてからは山犬がいなくなり、山仕事が楽になりました。そしていつの日か、弘法さんの石像が置かれた場所にはお堂が建てられ、村人は山仕事に行く際には弘法さんに手を合わせてから出かけるようになりました。

伊豆市観光情報サイトより

台座に「明和二乙酉歳五月吉日」と彫られているので

1765年。今から260年ぐらい前の狛犬さん。

作者は不明である。

「はじめ狛犬」という分類に入るのだろう。

その当時、狛犬という像の知識をあまり持ち得なかった

石工さんが想像をめぐらして作りあげたのだろう。

とてもユニークな狛犬である。

二荒神社のはじめ狛犬

魅せられた僕は、帰宅後、しばらくして

F6のキャンバスにモデリングペーストを塗り

デッサンして彫刻してアクリルで彩色した。

 

伊豆修善寺の天城神社へ向かう

2022年の10月末に、やっと行きたかった

天城神社へ向かうことにした。

朝から車に乗って行っても、都心から出かけると

かなり時間がかかる。なので、最近は

神社近くの車中泊できる所まで行き、

早く起きて目的地に向かうことにしている。

 

仕事を終え、夕食を済ませ20時過ぎ、車に乗った。

車の運転、そんなに得意ではないので無理はしない。

夜の運転なので、中央高速は慎重に運転した。

足柄パーキングエリア
夜の足柄パーキングエリア。車はそれなりに止まっていたが、人はまばらだった。

足柄パーキングエリアでトイレ休憩をいれ

23時前だったろうか、

「道の駅 伊豆ゲートウェイ函南(かんなみ)」に着いた。

想像では山の中にあるのかなと思っていたが、

意外と拓けた土地にあった。

新しい道の駅で、駐車場やトイレは新しく、

それなりの車が停まっていた。

道の駅 伊豆ゲートウェイ函南(かんなみ)
夜の「道の駅」伊豆ゲートウェイ函南(かんなみ)

夜、遅いというのに駐車場の一角に

集まっておしゃべりしている若者達もけっこういた。

時折、バリバリのバイクや車も集まってきた。

結構、若者たちが集まる場所なのだろう。

夜中の12時、1時ぐらいまでは騒がしい音がしていた。

車中泊に慣れてきた僕は、このようなときのため

耳栓をして寝込む。

まったく聞こえなくなるわけではないが、

うるさい音はやわらいで大丈夫だ。

明日の予定をチェックしたり、スマホを見て

眠くなると寝袋にくるみ、

さらにその上に毛布をかけて眠りにつくのであった。

音に敏感な人は、ここでの車中泊は

止めたほうかいいだろう。

 

6時半頃に目が覚め、トイレに駆け込む。

朝のゲートウェイ函南
朝のゲートウェイ函南。レンタサイクルステーションがある。

車中泊で必要なのは、まずトイレ。

道の駅はその点、すぐに近くにあるので助かる。

東の空は雲間から太陽の光が差してきた。

ゲートウェイ函南の夜明け
ゲートウェイ函南の夜明け。

北の方角は雲がまったくなく

遠くに富士山が見えた。

静岡に来た、と実感する。

ゲートウェイ函南から見る富士
ゲートウェイ函南から見る富士。

あこがれの天城神社(あまぎじんじゃ)

前日からコンビニで買い込んでいた

インスタントコーヒーにお湯を入れて

パンを食べ終わると

天城神社を目指した。

途中、鳥居を見つけたので一社寄ったが

そのあとは一目散である。

しばらく県道414号線を南下し、

右折すると曹洞宗天城山弘道寺の右側に

「天城神社」の鳥居が見えた。

(以下、ほとんど写真です)

赤城神社の鳥居
背後に光差す天城神社の鳥居。
赤城神社の立て札
天城神社の立て札。井上靖の『しろばんば』の一節が書かれている。神社の境内が小説の題材となっている。
天城神社の鳥居
天城神社の鳥居をくぐる。
天城神社のシイノキ
参道右に「忠魂碑」の後ろに天城神社の御神木シイノキが立つ。

 

天城神社参道途中。
拝殿に向かう途中の参道。両脇に灯籠。
天城神社拝殿階段前
天城神社の拝殿前の階段。
左右に目的の狛犬が見えるぞ!
天城神社、吽形の狛犬。
天城神社、吽形の狛犬。いた~!!!
天城神社、吽形狛犬の横から。
天城神社、吽形狛犬の横から。いい形してるな~。
天城神社、阿形狛犬
天城神社、阿形狛犬。
右側から撮らないと顔がみえない。ああーー、といった表情。

 

阿形狛犬横から
阿形狛犬を横から撮るが、顔が参道側を向かずに天城山に向けているので、よく見えない。
阿形の後ろ姿
阿形の後ろ姿。
吽形後ろ姿
吽形後ろ姿。体に張り付いた尻尾がかわいい。
拝殿から参道を眺む
拝殿から参道を眺む。
天城神社、拝殿右から。
天城神社、拝殿右から。阿吽ともこちら側を向く。
天城神社、拝殿右から
天城神社、拝殿左から。
『しろばんば』の2人はこの回廊に腰掛けていた、ということだな…。
拝殿前の看板
拝殿前の看板。
どうやら絵馬と狛犬は同じ年に奉納されたようだ。
天城神社の参道
参拝後、拝殿を振り返る。
天城神社の鳥居
鳥居をくぐったあと、ちょうどシイノキの御神木から朝日が差し込んでいた。

とても素敵なお顔をした狛犬さん。

見させてくれてありがとうございました。

大事に大切にしたい狛犬さんである。

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題材の場所: