鷺宮八幡神社(さぎのみやはちまんじんじゃ)
西武線新宿線・鷺宮駅を降りて
徒歩3・4分で鷺宮八幡神社に着く。
ここには3対の狛犬がいる。
なかでも鳥居近くの
明治21年(1888年)に奉納された
獅子山にいる狛犬は目を惹く。
とても小ぶりである。
阿形の狛犬は
乳を飲む子獅子をかばうように
手を添えかけている。
口元が少し欠けているのが
可哀想だ。
今回、題材にしたのは
吽形の狛犬。
小さな頭に
ふさふさした眉毛が
逆への字にまがり、
それが目の上を覆い
見つめていると
とても哀しい
気持ちになってくる。
多くの狛犬が
厳しい強面な顔をしている中
この狛犬は
これほどかというくらい
うつむき嘆いているかの
ようである。
かの円丈さんの本にも
「世界で一番悲しそうな狛犬」
と記されたぐらいの狛犬だ。
鷺宮八幡神社・吽形狛犬を描く
このブルーな感じの
狛犬をブルーを基調に
描こうと思った。
が下地はモデリングペーストに
黄色を混ぜた。
いずれ塗りかぶせて
消えていくのであろうが、
悲しさの中に
明るさも秘めたかったのだ。
黄色い下地の上に
青と白で狛犬を描き起こした。
なんだか青が単調だ。
いまいちしっくりこない。
それでしばらく置いていた。
10ヶ月ばかりして
また絵を取り出した。
いくつかを描き加えたが
まだまだ。
で、しまいには
ドリッピングという技法で
ホワイトを筆で
撒き散らした。
昨年、アクリルで描き始めたので
そういう名前の技法だということを
知らなかった。
ネットで調べて知った。
いろいろな技法があるなあ。
「どうだい、狛犬くん。
少しは君の気持ちを
表現できたかな?」
絵の中の狛犬くんは、
うつむき、悲しげに
座って黙ったままである。
でも、いつかどこかで希望の
色も出てくるだろう。
そう、思ってていいよね。
狛犬くん?
(F10・キャンバス・アクリル画)
とても優しい宮司さんがいる。
題材の場所: