「御神木の下の狛犬」河原町稲荷神社

御神木の下の狛犬
御神木の下の狛犬・河原町稲荷神社吽形狛犬(P10・メディアミックス)

河原町稲成神社(かわはらちょういなりじんじゃ)へ

京成本線・千住大橋駅から

徒歩3・4分ほどで「河原町稲荷神社」に着く。

JRの千住駅からだと30分はかかるかも知れない。

僕はここに去年、一昨年と参拝に

訪れたが、どちらも黄葉した

銀杏の時期だった。

ちょうどいい時期だったのかも知れない。

境内には銀杏の葉がたくさん舞い落ちていた。

 

河原町稲成神社・鳥居
河原町稲成神社の東側の鳥居。鳥居の奥に狛犬のシルエットが見える。

そして御神木の下に

おおきな狛犬がいた。

(今回題材にして吽形狛犬だ)

境内にたたずむ狛犬
銀杏の葉が舞い散る境内奥に狛犬がたたずむ。

阿形近くの立札には「足立区最大の狛犬」と

記されており、浅草神社の狛犬と

作りが似ていることから同じ作家の

作品ではないか、と書かれてあった。

 

胸元ぐらいの高さの

石の台の上に狛犬は

でんと座っていた。

おおきいので見上げるようになる。

そしてその背後に

黄色く染め上げた銀杏がおおい

背後から太陽の日差しが

降り注いでいた。

河原町稲荷神社・阿形狛犬
河原町稲荷神社の阿形狛犬。

河原町稲荷神社の狛犬を描く

2019年の秋頃、僕はアクリルで

この狛犬の絵を描きはじめた。

塗ったあとの感触がいまいちだったので、

その後、油絵の具を塗り重ねた。

それもいまいちだったので、

そのままにしていた。

 

今年に入って、また絵を取り出して加筆した。

ところが、油絵の具で加筆していたのを

てっきり忘れていた。

描き始めてからの呟き。

「なんか筆ののりが悪いなあ、

あれ、絵の具が弾かれている!」

そしてギョッとなった。

「油絵の具の上にアクリルで描いてしまった!」

絵の世界では、

油絵の具の上にアクリルをのせては

剥離するのでタブーなのだ。

やってはいけないことを

してしまった。

落ち込んで絵はそのままに

したままだった。

 

先日の「鳥居の見える風景」のときに記したが

「アキーラ」という画材を購入したことは記した。

この魔法の絵の具を使って

お蔵入りになっていた絵を取り出し、

「アキーラ」で絵の具を

塗り重ねた。

どうにか完成まで

持ち込んだのが今回の絵だ。

せっかく描いてあった絵を

そのままにしておくのも悔しいので。

 

黄色いバックの狛犬になった。

銀杏の形は判然としないが、

黄葉の元に座る狛犬のイメージ画だ。

 

とにかく「アキーラ」という

画材は、油絵の具の上からでも

描ける、とても重宝する絵の具だ。

まさに現代の画材だ。

鳥居の見える風景

河原町稲荷神社の宮司さん

二度目に参拝に来たとき

拝殿の前で竹箒をもって掃除している

女の方がいたので

「たいへんですね」と声をかけて

挨拶をしたら、稲荷神社の宮司さんだったので

びっくり。

河原町稲荷神社・拝殿前
河原町稲荷神社の拝殿前。宮司さんは右側で掃いていた。

話を聞いてみると、

秋のこの時期は、銀杏の葉っぱが

境内あちこちに散って

毎日、竹箒をもって掃除している

とのことだった。

 

境内は、石ころや土の上なので

竹箒がけっきょくいちばん

掃きやすいとのこと。

掃いて集めた葉はゴミ袋にいっぱいにして

ゴミ収集に出すそうである。

 

銀杏の葉はひじょうに

燃えにくく境内で燃やすことも

できないので今ではそうしている

とのことだった。

 

話をしていると、

宮司さんのことも伺うことができた。

 

旦那さんが宮司であったのだが

若い頃に亡くなったので、

そのあと神社を守るため

引き継いで宮司になったと。

ただ、当時は

男性がほとんどの神社社会だったので

女である宮司は

けっこうたいへんだった、と

言っていた。

銀杏の葉っぱ
境内に落ちていた銀杏の葉っぱ。宮司さんの話によると、男と女の葉では形が違うとか???

まったく神社社会のことを

知らない僕は、へぇと思いながら

聞いたのであった。

 

その節は、ありがとうございました。

 


題材の場所: