赤城神社の狛犬
東京の中心地、神楽坂に鎮座している赤城神社(あかぎじんじゃ)。
何度か参拝に来て、以前、ここの狛犬の絵を描いた。
2021年の12月20日にツイッター(=X)にアップしていたのだが、
このホームページにはアップしていなかった。
てっきり絵をアップしてないと思っていたのだが、なんと!あとで記していたことに気付く。
「赤城神社の狛犬」っていうタイトルで書いていた。忘れっぽくなったなあ(汗)
アップしたあと何か物足りなく、そのまま置いていたのだ。
2年半経って倉庫から引き出して見てみたが、やはり物足りない。
絵というもの描いているときは、集中してのめり込んでいるので
なかなか客観的には見れないのだ。時間を置いてあらためて
見てみると、これはいい、これはつまらん、迫力ね~なぁ、
とかと気楽に言えるようになる。批評とか批判とかは、逆に言えば
第三者だから、いろいろと言いたいことを言えるのだ。
で、第三者になった僕の目から見ると、
なんだか、ちんまりしておとなしい迫力の無い絵だな、と思ったのだ。
これじゃ、いかん、とイーゼルに掛けて、腕組みをし、むむっと
筆をとることにした。
石肌の感覚がいまいち、空も何か淋しい…。
パレットにモデリングペーストとアクリル絵の具を絞り出し、
ペインティングナイフで重ねていった。
胸を張って遠くを眺める狛犬、
そこに差し込む太陽の光。
強い意志を持つ狛犬だ、とペインティングナイフに心をこめた。
タイトルも「赤城神社の狛犬」から
「ユルギナキイシ」と変えた。
もちろん、イシは石と意志をかけている。
少しは前より良くなったかな…。
(自分の中では、以前よりは良くなった気がする)
加賀白山犬がいるわけは?
赤城神社の狛犬は、
神社の説明書きによると、加賀白山犬(かがはくさんいぬ)と呼ばれているらしい。
江戸時代に流行ったが、残っているのはわずか、という。
新宿界隈をいろいろと散策し狛犬を見てきている僕ではあるが
多くは、岡崎型や江戸尾流れ型で、このようなタイプは
見た記憶がないのである。
なぜ、このような型がここにあるのだろうか。
他のブログやネット情報を見ると、
この界隈に、福井の酒井様のお屋敷があった、ということである。
神楽坂の矢来公園辺りに酒井家の下屋敷あったようで、
とうぜん、関係者も近くに住み込んでいたことだろう。
加賀からの品物、工芸品などが流通し、その中に
加賀独特の狛犬も送られてきたに違いない。
近くの赤城神社に、加賀白山犬の狛犬があるのも、そういう理由かも知れない。
ちなみに、加賀で取れる良産の石は、
笏谷(しゃくだに)石という。色は青白く加工しやすい柔らかい石ということだ。
そして加賀の近辺で作られている狛犬は、
独特の特徴がある。それは、どれもが
おかっぱ頭であるということだ。
ここ赤城神社の狛犬もおかっぱ頭だ。
今でいうチコちゃん、千と千尋の神隠しに出てくるハクのような髪型なのだ。
なぜこのような型が多いのかは謎だが、
尊敬する狛犬研究家たくきさんは、「越前禿(えちぜんかむろ)型」とも言っている。
コロナが収束して再び仕事が忙しく、
また、時間を取れなくなっているので、
なかなか絵を描く時間も取れなくなっている。
だが、時間ができれば、ぜひ越前まで行って
実際の狛犬をみたいものである。
題材の場所:
髙天原からかみさまのお供をして来たような表情で澄まして座っていますが前肢は力強く全体に緊張感がみなぎっています。